クロックノイズ #
CMOS出力の発振器が出力する信号の高調波成分ノイズを考える。
フーリエ級数展開 #
周期が$T$の関数$f(x)$を考える。この時$f(x)$は
$$ f(x) = \frac{1}{2}a_0 + \sum_{n=1}^{\infty}a_n\cos(nx) + \sum_{n=1}^{\infty}b_n\sin(nx) $$
となる。それぞれの係数は
$$ a_0 = \frac{2}{T}\int^{\frac{T}{2}}_{-\frac{T}{2}} f(x) dx $$
$$ a_n = \frac{2}{T}\int^{\frac{T}{2}}_{-\frac{T}{2}} f(x)\cos(nx) dx $$
$$ b_n = \frac{2}{T}\int^{\frac{T}{2}}_{-\frac{T}{2}} f(x)\sin(nx) dx $$
である。
矩形波のフーリエ級数展開 #
CPUのクロック源に使用される発振器の出力は通常CMOS出力となっている(アナログ回路等、ノイズを気にする箇所ではクリップドサイン出力)。この波形をフーリエ級数展開してみる。計算の都合上少しシフトした波形で考える。CMOS出力波形は矩形波であるので、この波形と数式を示す。
$$ f(x) = \begin{cases} -1 \hspace{3mm} & (2n-1)\pi \lt x \leq 2n \pi \\ 1 & 2n \pi \lt x \leq (2n+1)\pi \end{cases} $$
先述の公式に当てはめると
$$ \begin{align} a_0 &= 0 \\ a_n &= 0 \\ b_n &= \frac{2}{n\pi}(1-(-1)^n) \end{align} $$
となる。したがってフーリエ級数展開は
$$ f(x) = \sum^{\infty}_{n=1} \frac{4}{(2n-1)\pi}\sin((2n-1)x) $$
となる。
グラフで表すと下記のようになる。
参考コード
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従って、周波数の高調波は奇数倍()のみに現れる。