定義 #
位相雑音とはキャリアから離れたオフセット周波数における雑音電力とキャリア電力の比で規定される。位相雑音は全てジッタとなって現れる。位相雑音の表現にはSSB (Single side Band) L(f)を使用する。L(f)はオフセット周波数fの関数で、単位はdBc/Hz。搬送波周波数からfHz離れた周波数における1Hz帯域幅の電力信号をキャリア電力で規格化する。
$$ L(f) = \frac{(f_0+f)の1Hzバンド幅での電力}{キャリア電力} $$
そもそも理想的な信号であれば
$$ f(t) = A \times \sin{\omega t} $$
で表すことが出来るが、実際にはノイズがのるので
$$ f(t) = (A+E(t)) \times \sin{(\omega t + \phi(t))} $$
となる、$E(t)$が振幅の変動、$\phi(t)$が位相の変動となる。
測定方法 #
位相雑音測定器を使えばOK。
スペアナで測定する例。
$$ L(f)[dBc] = P(f) - P_c $$
で測定できる。P(f)はオフセット周波数fのΔBWにおける電力[dBm]。Pcはキャリアの電力[dBm]。位相雑音の単位はdBc/Hzであるので
$$ L(f)[dBc/Hz] = P(f) - 10\log{\Delta BW}-P_c $$
と変形できる。
ただしスペアナで測定した場合、$\Delta BW$に誤差が含まれる。スペアナのIFフィルタには通常ガウシャンフィルタが用いられている。このため、フィルタ帯域を補正する必要がある。またディテクタのノイズなど補正すべき項目がいくつかある。といってもよほど古いスペアナでない限りこのあたりの数値はノイズ測定時に補正してくれる。
例 #
キャリア電力0dBm、分解能300Hz、10kHzオフセット周波数における雑音電力が-60dBmだとすと
$$ L(10kHz) = -60dBm - 0dBm - 10\log{300} = -84.771[dBc/Hz] $$
となる。